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気分障害と統合失調症 [気分障害と統合失調症]

● 気分障害とは
よく間違われるのが『心の病』であるという認識です。ストレスなどからくる心因性のうつ病でしたらその言い方も適当ですが、気分障害は『原因はまだよくわからないが、脳の機能の異常からくる脳性疾患』です。ストレスなどがきっかけで発症することはあります(ワシがそうでした)。

気分障害には、うつ症状だけが現れる『大うつ病』、躁状態とうつ状態を繰り返す『躁うつ病(躁の症状が激しいⅠ型と、軽躁で終わるⅡ型がある)』、躁うつ病ほどではないが気分の波が大きい『気分変調症』、特殊ケースとして『季節性感情障害(日照時間の問題と言われている)』があります。
内因性精神疾患と呼び、遺伝説(主に母方のミトコンドリア説・その他)・胎児期脳血流障害説・ウイルス感染説などありますが、原因はまだ解明されていません。
これらの症状に関しては、それぞれ詳しいサイトがありますので、 リンクからたどってください。

● 統合失調症とは
古くは早発性痴呆、最近までは精神分裂病と呼ばれていた病気です。これも『心の病』と言われることが多々ありますが、脳の機能の異常です。脳の分泌物ドーパミンが異常に出たり、出なかったりします。
幻聴・幻覚・妄想などが激しい陽性症状と、脳が過沈静して何もできなくなる陰性症状とに分かれます。
躁うつ病と同じようにストレスが引き金になることが多いようです。

● 統合失調感情障害とは
ワシ、只野は『統合失調感情障害』(長ったらしい病名ですね)という診断を受けております。『非定型精神病』という言い方をする医師もいますが、臨床現場では大体同じ意味と考えてよいと思います。非定型と言うと書類上混乱するらしいので、今ではあまり使われていないようです。

分類法には ICD-10(WHO国際疾病分類)とDSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会)という2種類があります。国ごとに用語が違うようなので、ここでは国際疾病分類を念頭においています。が、ワシは学者ではありませんので、分類法については割愛します。

で、「統合失調感情障害って何よ?」と思われたと思いますが、平たく言いますと、躁うつ病と統合失調症の両方の症状を示す脳性疾患です。
これも遺伝説が有力で、統合失調症と躁うつ病の発症には、同じ遺伝子が関与しているという論文もあります。

ワシの場合ですが、主な症状は躁うつ病がベースであり、躁でもうつでもないフラットな時期にも、統合失調症のような症状が現れます。躁うつ病でも重症の場合には幻覚や妄想が現れますが、それとは違うということでしょう。←いい加減
人により様々な症状が出ますので、一概にこんな病気とは言えません。それほど多彩で、診断名のつけにくい病気です。

● 統合失調感情障害の治療について今のところ、薬物療法が有効のようです。最近では、躁うつの波や統合失調的症状を見極める認知療法も併用されています。
カウンセリングやセラピーなどはこの病気にはあまり有効ではないようですが、神経症や不安障害など別の疾患を併発している人にはいいかもしれません。
良くなることを『寛解』と言いますが、再発しやすいため、まず、一生にわたって予防として薬を飲まなくてはいけません。一生定期的に通院し、薬の副作用に悩み、薬によっては飲んではいけない飲み物を避け、運転もできません。生活のほとんどが制限されると言っても過言ではありません。
ワシも実はそのことを知ったとき『ど~ん』という気分になりまして、友人に泣き言メールなんぞを出したりしてしまいました。治らない、"一般の人たちからみれば本格的な狂人である"ということを認めたくなかったのです。

完治なさった方もいらっしゃいますが、『完治』ということはめったにないようです。
しかし、この病気は『脳のインスリン注射』『脳の人工透析』と同じだと考えればいいのではないか、と思うようになりました。すぐに落ち込みますが、立ち直りも早い只野です。糖尿病を患っている方、人工透析を受けている方から見ればたいしたことないように思えるかもしれませんが、この病気も日々の生活が大事ですし、また『死』は身近にあり、突然訪れるものでもあるのです。

● カミングアウトについて
まだまだ偏見の多い世界です。刑事事件を起こした場合、「なお、犯人には精神科への通院歴があり…」などとわざわざ報道されるのは間違いないです(足が痒くて暴れた人のことがニュースになったら「水虫のため、皮膚科への通院歴があり」って報道されるんだろうか)。そのため、差別・偏見を助長する結果となっていることは憂うべきことです。事件を起こす人は精神病患者より、異常性格(簡単に言うことではないですが)の人の方が遥かに多いようにワシは感じるのですが。
ワシの場合、自分の様子がおかしいことを夫にも隠していました。積もり積もった挙句『事故』を起こしたせいで否応なく夫の家族、ワシの家族にはバレてしまいました。しかし、一人暮らしで発症した場合や、どうしても言えないまま結婚してしまった場合など、カミングアウトに悩む人は沢山いらっしゃいます。
他の人に理解してもらうには大変な努力が求められます。『うつ病』は現代社会では序々に認知される病気となっていますが、それに『躁』がつくと、みなさんよくわからないのが実情です。うつ病の方でさえ、「『躁』があるなんて、楽しそうでいいじゃん。こっちは苦しいだけなのに」と思っている節さえ見受けられます。
『統合失調症』にいたっては「それって精神病でしょ?狂って事件起こしたりするんでしょ?怖いよね~」という、ありがたくないおまけさえ付いてまわります。『統合失調感情障害』は、病名すら理解できないかもしれません。
ワシにはこのことについて、正直言ってどうともアドバイスできません。あたって砕けろとも言えません。家族の理解を得られずに、絶縁状態になってしまうこともあるからです。特に症状の激しい躁うつ病1型・統合失調症の陽性症状ではその傾向が強いようです。
このことについては、未だ暗中模索の日々です。ワシも友人・ネット仲間にこのHPを公開するか悩んでいるところなのです。ワシは家族関係も含め、人間関係に恵まれていると思うので、理解してくださると思っておりますが(楽天的でしょうか)。ワシ自身も実生活では『うつ病の酷いの』としか知らせておりません。何しろ閉鎖的・ムラ的なご近所だからです。

●気持ちの整理上記でも書いたとおり、この病気は脳の機能の病気であって『気の持ちよう』で治るものではありません。しかし、覚悟を決めればいい方向に進むことをワシなりに信じています。
精神医学はまだまだ研究が未発達で、また、非常に難しく、医師にしてみれば大海の中を手探りの状態でもがいているようにワシには見えます(妙に冷静なことを言う)。もし、ワシが医師なら精神科医にはなりたくないです。←ぜーったいになれんっちゅーの!
『統合失調感情障害』が『非定型精神病』と言われたり『統合失調症急性期』または『躁うつ病1型』と言われたりして、病名がなかなかつかないことがあります。診断基準が国によって、また医師によってばらつきがあるのは当然だと思います。つまり、同じ患者が違う医師によって違う病名をつけられたりするということが起こるということです。

しかし、病名は違っても病気の根っこは同じことです。

大事なことは、病名を決め付けるのではなく、症状を確認し、病気のこれから、医師の治療計画などをきちんと確認して、医師との信頼関係を築き、病気のコントロール法を学び、障害と向き合い、自分自身の人生の指針を立て直すことではないでしょうか。
話が合わなくても自分にとっていい医師であることもありますし、自分に都合のいいことしか言わない医師が、いい医師とは限りません。
ワシはセカンドオピニオンを求めたことはありませんが、重なる転院でいろいろな医師に出会いました。
医師との信頼関係を築いたり、生活の指針を立てることは、難しいことですし、うつのときにはそんなこと考えもつかないのが本音なのですが…。

●最後にこれを読んでくださった患者さんや、ご家族の方が少しでも楽になれば、と思っております。

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